アジア調査会は現在のように外国人のスピーカーを簡単に招待できなかった時代から世界の著名人を積極的に招致して講演会を開催し、日本の国際化に寄与してきました。この50年間で外国人のゲストによる講演は187回です。外国人招致に積極的だったのは吉田茂初代会長時代からの伝統です。吉田会長は大磯の自宅に外国人ゲストを招待し、レセプションを開くなどして協力しました。
外国の著名人の講演者は英国の歴史学者、アーノルド・T・トインビー博士▽フランス元首相のフォール氏▽インドネシアのスハルト大統領▽中国研究者のオーエン・ラチモア氏▽中国の文明批評家、林語堂氏▽ヒューバート・H・ハンフリー元米国副大統領▽エドウィン・ライシャワー駐日米国大使ら、枚挙にいとまがありません。
アジア調査会50周年を迎えた2014年は6月までに岸田文雄外相、毎日新聞専門編集委員の金子秀敏氏、菅義偉内閣官房長官、小野寺五典防衛相が講演しました。マスメディアにも開放しているため、テレビカメラが6台並ぶことも珍しくありません。講演と質疑応答の全文は必ず「アジア時報」に収録しているので、記録的価値も十分です。
吉田茂初代会長の言う通り、中国問題は日本にとって米国問題と並び、最重要課題となりました。アジア調査会は1972年の国交正常化の前にも、松村謙三、小坂善太郎、林語堂、アレクシス・ジョンソン、宇都宮徳馬、アーノルド・トインビー、古井喜実、藤山愛一郎、岡崎嘉平太、オーエン・ラチモア、竹入義勝、田中角栄、川崎秀二、大平正芳の各氏らに中国問題について講演していただき、国民的コンセンサスの形成に寄与しました。
2023年12月のアジア調査会講演会は20日、毎日新聞東京本社で開催し、慶應義塾大学名誉教授の國分良成氏が「複雑化する中国情勢と日米中関係」と題して講演しました。講演の詳報は『アジア時報』2024年3月号に掲載しました。
2023年11月のアジア調査会講演会は6日、東京・内幸町の日本記者クラブ9階会見場で開催し、東京大学名誉教授の北岡伸一氏が「国連改革について」と題して講演しました。講演の詳報は『アジア時報』2024年1・2月号に掲載しました。
2023年7月のアジア調査会講演会は27日、毎日新聞東京本社で開催し、東京大学大学院教授の木宮正史氏が「尹錫悦政権の『新外交』と朝鮮半島を巡る国際関係」と題して講演しました。講演の詳報は『アジア時報』2023年12月号に掲載しました。
2023年4月のアジア調査会講演会は28日、毎日新聞東京本社で開催し、慶應義塾大学総合政策学部長・教授の加茂具樹氏が「大国化、集権化する中国とどう向き合うか」と題して講演しました。講演の詳報は『アジア時報』2023年10月号に掲載しました。
2023年2月のアジア調査会講演会は28日、東京・内幸町の帝国ホテル「雅錦の間」で開催し、京都府立大学教授の岡本隆司氏が「歴史から読み解く現代中国」と題して講演しました。講演の詳報は『アジア時報』2023年6月号に掲載しました。
2023年2月のアジア調査会講演会は7日、毎日新聞東京本社で開催し、前駐インドネシア大使、アジア調査会理事の石井正文氏が「東南アジア諸国とどう向き合うか――中国+『踏み絵を踏まない分断』への対処」と題して講演しました。講演の詳報は『アジア時報』2023年5月号に掲載しました。